肩こりについて

頸部、肩背部などのこり感を肩こりといいます。

不快な肩こり感とともに頸部、肩背部などの筋緊張や筋肉の硬化をともない、ひどいときは痛みをともなうこともあります。肩こりは客観的に筋緊張や筋肉の硬化を認める場合もありますが、時には主観的な肩こり感だけで、触っただけではどの程度の肩こりなのか判らない場合もあります。

肩こりは、4つの型があります。

主に後頸部のこるもの、肩上部の中間がこるもの、背中の肩甲間部のこるもの、そしてこれらの複合したものです。

肩こりの原因には、血液やリンパの循環障害、肉体的・精神的疲労の蓄積や不眠症によるもの、肩関節周辺部に疾患のあるもの、婦人科疾患によるもの、眼、耳、鼻、喉、歯などに疾患のあるもの、胸腹部内臓に疾患のあるもの、高血圧症など全身的な疾患によるものなどに大別できます。

肩こりの原因を特定できるものは特定し、その原因を除去するような治療をすることが必要であり、原因や症状によって、それぞれその治療法が異なります。

1.血液やリンパの循環障害、肉体的・精神的疲労の蓄積や不眠症による肩こりは(一般的な肩こり)

肩の周辺の筋肉の使い過ぎや誤った使い方、良くない姿勢による疲労の蓄積、肉体的・精神的緊張の連続やストレスの蓄積と、緊張の連続およびストレスの蓄積による不眠によって疲労が回復しないという悪循環によって起こるようです。 例えば、長距離の自動車運転や、長時間にわたる連続した会議などに、その人の生理的限界を超えた場合、疲労感とともに肩こりを訴え、疲労感はとれても肩こりだけが残るということがあるようです。 これは、蓄積された疲労やストレスが、その人の自己治癒力・修復力の減退や睡眠不足、有酸素運動不足などによって回復しきれないものであり、とりわけ自己治癒力・修復力が減退する中年過ぎに多く、少しの無理でもひどい肩こりが残るようです。

2.肩関節周辺部に疾患のある肩こり

極めてまれな疾患まで含めると、その数は多く、決して少なくないようです。 脊髄症、頚椎の炎症、頚椎・頚髄の腫瘍、外傷性頚椎・頚髄損傷など、鍼・灸・マッサージ・指圧などの東洋療法の不適応や慎重な対応を必要とする疾患もあり、その病態も複雑であるといわれます。

しかし実際の鍼・灸・マッサージ・指圧などの東洋療法においては、その多くが血液やリンパの循環障害、肉体的・精神的疲労の蓄積や不眠症による一般的な肩こりが一番多く、次に五十肩、頚肩腕症候群、むち打ち症、頚椎変形症、頚椎症性神経根症、頚椎椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群、乳がんや舌がん手術後の肩こりなどであり、そのほとんどが、鍼・灸・マッサージ・指圧などの東洋療法の適応する疾患と考えられます。

しかし、上記の不適応疾患や、鍼・灸・マッサージ・指圧などの東洋療法のみでは十分な効果が期待しえないと推測される肩こりや病気も当然あります。そんな場合は、専門の病院や診療所の受診をおすすめ致します。

3.婦人科疾患による肩こり、月経異常を伴う肩こり

ご婦人は月経閉止期、すなわち更年期になると強い肩こりを感じる方が多いようです。更年期だけでなく月経不順、月経痛、足の冷えやむくみなどによって、若い人でも肩こりを強く訴える方がおられます。

ちなにに、肩こり、月経不順、月経痛、足の冷えやむくみなどで、以前治療した方で、不妊症の方がおられました。当院では、不妊症の治療として、特に行ったわけではありませんが、後から、妊娠しました、ありがとうとか、子宝に恵まれましたとかといわれて、感謝されたことが数回あります。これは、もしかしたら、鍼灸・指圧・マッサージなどの東洋療法には、肩こり、月経不順、月経痛、足の冷えやむくみなどを治すだけではなく、妊娠や子宝に恵まれる可能性を高くする力があるのではなかろうかと思われ、今後、機会があれば、このことについて、追試してみたいと思っております。

4.眼、耳、鼻、喉、歯などに慢性的な疾患がある

例えば、近視、遠視、乱視、眼精疲労、目の疲れ、長時間パソコンのディスプレーを凝視していたことによる目の疲れなどが、肩こりの原因として考えられます。 耳では慢性中耳炎、メニエール症候群、鼻では慢性副鼻腔炎、歯槽膿漏など、肩こりの原因になっていることがあるようです。

5.胸部内臓、とくに心臓、肺、気管などに疾患があるとき(腹部内臓では、胃下垂症、胃アトニ―など)

胆石症の右肩こりと右肩の痛みはよく知られています。便秘の方が肩こりを訴えることもよくあります。

6.高血圧症による肩こり、貧血による肩こり

自律神経失調症や神経症では、全身倦怠、めまい、耳鳴り、動悸、頭痛、頭重、背中の痛みなどとともに肩こりを感じることがあるようです。 肩こりで反応の多く現れる部位・身体の過緊張が現れる部位、経絡・経穴(ツボ)は、経絡的には、肺経、大腸経、心経、小腸経、膀胱経、心包経、三焦経、腎経、胃経、胆経が多いです。

肩こりについて、難しいことをいろいろ書いてきましたが、それは要するに、当院における鍼灸・マッサージ・指圧などの東洋療法は、肩こりのことをある程度確認し、上記の経絡の経穴(ツボ)を施術点とし、経絡・経穴(ツボ)の気血の循環を良くし、身体の血液・リンパ・栄養物質の循環を良くし、人が本来持っている自己治癒力・修復力・免疫力・自己防衛力を高めて、肩こりなどの病気を一日でも早く治すことを目標にして治療しているからです。

したがって、当院における鍼灸・マッサージ・指圧などの東洋療法は、軽症、重症、慢性病を問わず、反応の現れれている部位・身体の過緊張の現れている部位、経絡・経穴(ツボ)を施術点とし、経絡・経穴(ツボ)の気血の循環を良くし、身体の血液・リンパ・栄養物質の循環を良くして、人が本来持っている自己治癒力・修復力・免疫力・自己防衛力を高めて、肩こりなどの病気を治し、かつ、予防を行うというところに特徴があるといえます。

ですから、あなたの肩こりや肩こりの原因が、あなたの自己治癒力・修復力・免疫力・自己防衛力の減退と全然関係ないものであるとしたら、当院における鍼灸・マッサージ・指圧などの東洋療法は、軽症、重症、慢性病を問わず、効果が期待できないことになるかもしれません。その逆に、あなたの肩こりや病気の原因が、あなたの自己治癒力・修復力・免疫力・自己防衛力の減退又は発揮不足と関係があるとしたら、当院における鍼灸・マッサージ・指圧などの東洋療法によって、十分に効果が期待できるものであるといえます。