腰痛は、正しい姿勢を身につけたり、腹筋や背筋などの脊柱を支える筋肉を強化、維持したり、腹圧を強化することによって、予防したり、自分で治すことができるといえます。そして、それは腰痛の再発を防ぐことにもつながるといえます。

ここでは、当院でお勧めしているツボ押し体操やお灸、腰痛体操やストレッチなど、自分でできる腰痛の予防法と治し方について書いてみたいと思います。

腰痛の急性期、すなわち痛みが強く、体を動かすことも困難な時期には、安静が必要です。

次に、強い痛みがやわらいだら、下記のツボをさわり、押して痛む(圧痛がある)ようであれば、そのツボを1、2、3、2、2、3、3、2、3と9回、リズムカルに軽く押すか、温灸(カマヤミニなど)がお勧めです。これだけで、腰痛が軽減することがあります。ただし、腰部や臀部に熱感があるときや、ほかの病気がある人は行なわないでください。

未病治 予防ツボ押し腰痛体操

1 太衝(たいしょう) 足の拇指と次指との間の骨間を押し上げて止まるところ(肝経)
2 中封(ちゅうふう) 足の内踝の前の凹んだところ(肝経)
3 復溜(ふくりゅう)  足の内踝の上、アキレス腱の前縁(腎経)
4 風市(ふうし) 大腿外側中央、直立して軽く手指を下げ、中指の当たるところ(胆経)
5 内合谷(うちごうこく) 次指と中指の間の根元、合谷の内側

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次いで、強い痛みがやわらぎ、いわば慢性期にあたる時期になったら、かえって体を動かす腰痛体操やストレッチなどが有効です。

腰痛の多くは、腹筋、脊柱起立筋、側腹筋などの筋力の減退や姿勢の悪さが原因で起こることがあるといわれます。
腰痛に関係する筋肉には、一般的に腹筋、脊柱起立筋、大臀筋、腸腰筋の4つがあります。これらの筋肉を強化したり、伸ばして緊張をゆるめたりするのがポイントになるといえます。
まず、自分の腰痛のタイプを確認し、タイプに合った腰痛体操やストレッチを行なうことで、十分な効果が得られます。
腰痛のタイプは、大きく分けて、①筋力の減退、②筋肉への過剰な負担による筋肉の緊張、③姿勢やバランスの崩れ、など。
ただし、腰痛体操やストレッチをしていて腰痛やしびれなどが強くなったときは、すぐに中止して、当院や、整形外科など専門の医療機関にご相談ください。

1 筋力の減退タイプに効く腰痛体操

すべてゆっくり10回行ないます。この10は、腹式呼吸でできるだけゆっくりワンブレスで声を出して数えます。慣れてきたら、回数を増やし20回にします。

A 腹筋の強化-1

あおむけに寝て、両膝を立てる。両手をおなかの上に置き、おへそをのぞき込むようにゆっくりと少し体を起こす。戻すときもゆっくりと行う。体操中は、おなかの筋肉が硬くなっているのを意識します。

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B 腹筋の強化ー2
上記の腹筋運動がが楽にできるようになったら、体をゆっくり起こし、ゆっくり戻す腹筋運動を行います。

C 脊柱起立筋の強化
うつ伏せになり、両手をグーにして肘を立てて上半身をゆっくり起こす。足指を立てておなか(腰)をゆっくり3cmほど持ち上げ、体が一直線になるようにし、その姿勢でキープし、10ゆっくり数えます。腰が反り過ぎないようにします。このとき背中の筋肉に力が入っていることを意識します。
次に、左右の足を、一方、10回くらいずつ、交互に水平に持ち上げます。

D 大臀筋の強化
膝を伸ばしたまま、片方の脚をゆっくりと床から浮かせる。両方同様に行います。高く上げすぎると腰を痛めるので、つま先を床から5~10cm浮かせればよい。戻すときもゆっくり行う。このときお尻の筋肉を意識します。

E 腸腰筋の強化
あおむけに寝て、片方の脚の膝を立て、もう片方の脚は伸ばす。伸ばした脚の足首を直角に曲げ、つま先を上に向け、そのまま胸の方に引き寄せます。戻すときもゆっくり行う。脚を替えて同様に行います。このとき、おなかに力を入れ、脚の付け根を意識します。

2 筋肉への過剰な負担による緊張タイプ

A お尻と腰のストレッチ
あおむけに寝て、両膝を立てる。右手を左脚の膝の外側に当てて、左脚をゆっくりと右側に倒していく。10ゆうくり数える間、キープし元に戻し、反対側も同様に行います。

B 太ももの後ろ側のストレッチ
両膝を立てた状態で、片方のふくらはぎ付近を両手で持ち、膝を胸の方に少しずつ引き寄せる。膝は曲げたままでもよいので、気持ちがよいと感じるところで、10ゆっくり数える間キープする。反対側の脚も同様に行います。

3 姿勢やバランスの崩れ

足を肩幅くらいに開き、肩の力を抜き、全身をリラックスさせてまっすぐ立つ。体を左右に曲げたり、重心を左脚、次いで右脚にかけたり、おなかを前に突き出したり、おしりを後ろに突き出したりして、頭から頸および背中、、腰、股関節、脚と体重を足の主要部全面で確実に支えられるような、バランスのとれたよりよい姿勢をさがし、イメージし、意識するようにします。
バランスのとれたよい姿勢は、自分ではわかりづらいので、鏡の前で調整したり、他人に前後、左右から見てもらい、チェックしてもらったりするとよいようです。
バランスのとれたよい姿勢を身につけ、腹筋や背筋などの脊柱を支える筋肉や腹圧を強化して、筋力のバランスを調整し、筋肉の過剰な緊張をなくすことにつながる、ツボ押し体操やお灸、腰痛体操やストレッチなどによって、腰痛を予防し、可能な限り、自分で治すことに少しでもお役に立てて頂ければ、ありがたく思います。

しかし、毎日、飽きずに、コツコツ行うことは、たやすいようで、骨の折れることです。ですから、私は、時々、スロー・ランニングをして、軽い汗をかき、腰痛など病気の予防に努めています。スロー・ランニングも、なかなか、いいものです。

(参考文献)
・内山浩臣編集『NHKここが聞きたい名医にQ -腰痛-』日本放送出版協会、2008.12.20.
・遠藤健司編著『日本人の腰痛-痛みの原因と正しい治療法-』丸善株式会社、2009.6.30.
・石井博明著『腰痛は自分で治せる-腹圧をかければ、腰痛の原因「骨盤の歪み」が解消する-』主婦の友社、2009.12.10.
・成瀬悟策著『姿勢のふしぎーしなやかな体と心が健康をつくるー』講談社、1998.7.20.